幸せにしてくださいと言われたので書いてみた・その1

千星華(チセカ)

久しぶりの小話カテゴリ。内容は追記で
3つ書くけど大丈夫かねえ。



どうしてこうなった。
自分の服をどこぞの国民的アイドルに引っ張られた孤高の戦士は、ひっそりとため息をついた。
そもそもなんでこいつは自分に懐いているのだろう。自分と彼女の接点はほとんどなく、数少ない接点もあの男ぐらいだ。ここまで懐かれる理由が思いつかない。
……いや、一応ある。
どうやら自分と彼女は、境遇が似ているところがあるらしい。具体的には、親がいない。
「親に捨てられた」と「親に先立たれた」には大きな違いがあるのだが、彼女にとってはさほど気にすることではないらしい。「これからいっぱい愛されればいい」とは彼女の弁だ。
馬鹿馬鹿しい、と心の底から思う。
だが、その弁に押されかける時があるのもまた事実。
現に自分は今、服を引っ張っている手を離せない。その気になれば手を切ってでも離せるはずなのに、それが出来ない。
「う、ううん……」
幸せな夢を見ているのか、彼女が寝ながらも笑顔になる。それに合わせて、服をつかむ手に力が入る。
離すつもりはないと言うことか。
「……ちっ」
仕方ない。
当面は動かないでやることにした。下手に動いて起きられると厄介なことになりそうだし、眠りを邪魔してまでやることがない。思いつかない。
「ふにゃ……」
満足したのか、彼女が幸せそうな寝息を立てる。まさか寝たふりかと思ったが、寝息を聞く限り本当に寝ているようだ。
幸せな奴め。
悪態をつくが、それだけ。それ以上の言葉が出てこないし、それ以上の事をするつもりもない。むしろ、しばらくこのままでいいかとも思っている自分がいる。
全く、らしくない。
何もしない自分にも悪態をつきつつ、逆に寝ている彼女のフードに手を伸ばす。
「今だけだぞ」
次はない、と付け加えるが、無論彼女には聞こえない。多分聞こえても無視するだろう。
……そして自分も、彼女を拒めないのだろう。何故かそれだけは解る。
結局のところ、そういうわけなのだ。認めたくないけれど。

そういえばこれって何のアクセサリーだと思いながら、フードについているポンポンを軽く揉んだ。


貴方はやる気が出なくても『相手の服を抱きしめて寝ているソロミソ』をかいてみましょう。
幸せにしてあげてください。 http://shindanmaker.com/524738
https://twitter.com/haku_ra/status/609537568934227968




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